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台湾のお茶シーン

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茶席づくりの「原風景」が蘇ったところで
少し遡ったところから
茶席論を掘り下げていくことにします

「中国茶」の中にひとまとめにされることの多い「台湾茶」
そこにはお茶の種類や味わいの違いだけではなく
お茶をとりまく文化そのものにも
大陸とは異なる世界が存在しています

台湾の免税店やおみやげやさん、お茶屋さんなどでいただくお茶スタイルは
観光客が出会う機会の多い、台湾ならではのお茶風景でしょう
さらに、茶藝館や予約制のお茶サロンなどでは
もう少しディープな台湾茶の世界を味わうことができると思います
そして私が辿り着いたとあるお茶シーン
当時、陽明山にあった食養山房で催された
人澹如菊茶書院の茶事でした
そこには、それまで出会ったことのない台湾茶シーンがありました
斬新でありながら懐かしい感覚
伝統と未来が心地よく共存している
そんな印象でした
古き良き、中国と日本の文化が残る
台湾だからこそ生まれたお茶シーンです
残念ながらその場所は
ビジターが偶然的に出会うことのできる場所ではありませんが
人澹如菊茶書院を主宰する李曙韻先生はじめ
それぞれに個性的なお茶シーンを展開している指導者達が
独自の世界を日々創り出しているのです

そのような台湾お茶シーン全般をもって
台湾茶藝とか台湾茶道などと表現されることがありますが
日本の茶道のように
流派が確立されているわけでもなければ
何代も引き継がれているものでもありませんので
誤解のないように
統一された指導団体組織があるわけでもなく
しつらえもお茶の淹れ方も
それぞれの指導者によって異なるものです
○○先生の指導とはっきり述べる方が親切でしょう

ただ
そんな台湾のお茶シーンの中で
指導者の下で修行し
日々お茶に向き合っている現地の友人達に共通することは
日本の茶道への関心の高さもさることながら
そのお点前の中にはすでに
茶道の世界のそれと何かとても近いもの
共通しているものが存在していると感じることです
形を真似るだけではない
自分の中へ向かっている心の部分を
とても強く感じるのです

斬新でありながら懐かしく
伝統的で未来的な
中国と日本の文化
これらが彼らの中で昇華され
台湾のお茶シーンが創られているのだな~と
そしてそこには
私がこれからどこに向かって行くべきか
自分自身の帰着点へのヒントが詰まっている
そのように感じるのです

4月9日開催の第五回 現代茶席研究会では
日本の茶席「茶の湯」がテーマです
帰着点へのヒント探しの作業をコツコツと
はじめていきたいと思います

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by tea_wave176 | 2011-03-10 23:39 | 茶席論 | Trackback | Comments(0)